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2023.02.10
お知らせ
北日本造船は、世界初受注となる次世代二相ステンレス鋼「NSSC-2351」を採用した最新鋭ケミカルタンカーの建造を進めています。
この新素材「NSSC-2351」は、日鉄ステンレス㈱が従来のオーステナイト系ステンレスとなる「SUS-316L」の代替えとして開発したもので、優れた耐腐食性能と高強度が特徴なことから、建造鋼材使用量を削減できるメリットがあります。また「SUS-316L」に比べ、ニッケル、モリブデンといったステンレス素材含有量が少ないため、レアメタル市場価格変動に左右されにくく、造船所は資源価格の高騰リスクを軽減でき、高価な「SUS-316L」仕様よりも安価で建造が可能となります。
現在も続くステンレス価格高止まりの中、従来型二相ステンレス鋼採用のケミカル船を建造する造船所は増加傾向にあり、ケミカルタンカー市場では近年中国の造船所が台頭ですが、北日本造船では新素材を積極的に自社デザインへ取り入れ、攻めの姿勢で更なる受注獲得を目指す考えです。
耐腐食性、高強度、コストパフォーマンスに優れ、従来型「SUS-316L」と同様の化学製品を積むことが可能。3mm厚のステンレスと軟鋼をプレスした取扱いが非常にデリケートなクラッド鋼材と違い、ステンレスのみの単一鋼材仕様の為、乗組員によるカーゴタンクメンテナンスも容易となります。
また、本船は省エネ船舶の共同研究への協力として、海上試運転時に船体表面圧力計測実施を予定しています。船体一部表面へ超小型センサーを取付け、圧力データを収集するものです。
実船での計測は例も非常に少なく、有益なデータが取得出来ればと考えております。
北日本造船は今後も造船業の高効率化のために貢献します。